お読みあそばせ

本とか映画の感想文

米林監督の巣立ちを感じさせる映画だった「メアリと魔女の花」

公開初日のわりにそんなに混んでなくて、夏休み前だからかな〜? というのが第一印象。映画はいろいろ惜しい部分もあったけど、米林監督の巣立ちアニメとして、これ以上のものはないのでは!? よかったです。

これ、当初見に行くつもりはなかったんですが、神木隆之介が極大魔法の生贄になり、それをメアリが助けに行くらしい、と知って見に行くぞ! と。まあ、そこはすごくよかったです。ピーターは思ったより脇役も脇役というか、物語のために存在するキャラクターだったけど(十束みたいな)。

私がこの映画で一番よかったと思うのは、メアリがいいやつであること。アリエッティもいいやつだったけど、杏奈は嫌いだった……。メアリがすごくいいやつで、自分のケツを拭こうとするのはとても好感が持てました。
ラスト、「それでいいんかい〜」と思ったけど、夜間飛行を見つけて魔女になったのも偶然で、メアリにとって魔女は一夜の夢。人生の命題じゃなかったし、ドタバタに巻き込まれただけだし、これでいいのかなと。
動物がいっぱい湧いてくるシーンは好きでした。あなたの好きな動物がいるかな!? と思いながら、オオアリクイが走ってきたときは拍手したかった。

ジブリの血脈を受け継ぐからこそ見受けられる厳し目の評価に、「作らない人間とはかくも無情なものなのか」と涙がでそうです。
しかしサラッとした映画ではあったので、次回作に期待大。

原作読まないまま映画を見たけど、こりゃーみごとな風刺映画「帰ってきたヒトラー」

発売直後から気になっていたものの、ハードカバーは高いしかさばるし、でKindleが値下げされるのを待っていたら、文庫になり、Kindleも分冊してしまい、ずるずると原作を買っていなかったのを、映画で見ました。
ほんとうに見事な風刺作品で、これをドイツ人が書き、ドイツ人が映画化したのは、すごい時代がきたもんだ……って感じです。

簡潔にいうと、「ヒトラーが蘇ったけど、みんなそっくりさんだと思ってモノマネ芸人として大ヒットした」。

これは洋画あるあるで仕方のない部分だけど、現地語や文化がわかればもっと笑えたし、ゾッとできたんじゃないかと思う。
YouTuberがヒトラーをレビューしたり、ヒトラー水曜どうでしょうみたいなことしたり、ヒトラーにインターネットを教えたりする、細々な仕掛けがすごく今風でクスッとしてしまう。
風刺なので、省みる部分もあって、ドンと落とされたあと、それでも不敵で堂々としたヒトラーにゾッとさせられました。蘇ったからには土に帰るかと思ったから。
ラストも含めて、とてもシュールな笑いに包まれている。「ヒトラー最後の12日間」を思い出すシーンもあって爆笑してしまったんだけど、隣で見てた母は「なんのこと?」って感じだった。

ちなみに本作のヒトラーはcv飛田展男さんです。よかった。私はナチ映画では、「ミーシャ/ホロコーストと白い狼」*1とか「ヒトラーの贋札*2が好きなんですが、これはまた違った趣でよかったです。
結構軽い気持ちで見られたし、軽い気持ちでみてこその驚きでした。ポテトチップとコーラ片手に見ましょう!

ミーシャ/ホロコーストと白い狼 [DVD]

ミーシャ/ホロコーストと白い狼 [DVD]

*1:狼好きな人はみましょう!おおむねもののけ姫です

*2:職人がめっちゃがんばる話しです

お手本のような同人誌だと思う「お医者さんのお引っ越し」

本作は「お医者さんにガーベラ」「お花屋さんに救急箱」に続く3本目*1。お医者さん(受)とお花屋さん(攻)の仲もほとんど夫婦になり、家(花屋)をリフォームして二人の終の棲家にしましょうかという話しです。

リフォームといってもボロ家なので、ほとんど新築同様になる、そこを軸にしてふたりの日常をうまく書いているなと思います。
前2作を経たお医者さんの成長と、お花屋さんの成長、お互いにまだ言えなかったことや、新たな一面を見せて、改めてこれからもずっと一緒にいましょうね、という……。
私も今住んでいる家(実家)は高校生のときに引っ越してきた家なので、新築の家が懐かしい。冬前に引き渡しだったので、1ヶ月くらい床が冷たすぎて歩くのが苦痛だったことを思い出しました。本当は天井を蓄光の星の壁紙にしたかったのに親に反対されたこととか。

商業のBLとして大事な受の問題と、攻の問題をすでにやりきってしまったので、本作は番外編。いってしまえば、同人誌的な話になります。
このふたりに関しては正直、エッチはいいから掛け合いや日常が見たいな、というレベルだったので、エッチを削った判断はよかった。本編でやったことを踏まえ、新たな一面を見せつつ、新たな物語は掘らず、まさに「本編の隙間をついて、新たな解釈は加えず、うまく泳いでいる」お手本のような同人誌でした。
公式で一般流通しているので、同人誌もなにもないんだけど。

威圧的で手塚国光みたいな喋り方のお医者さんと、いつもニコニコで推しの強いですます口調のお花屋さんの掛け合いも、テンポがいいし、現実感はないんだけど、キャラクターとして確率していて気持ちがよかったです。

お医者さんのお引っ越し

お医者さんのお引っ越し

*1:前2冊はKindle化していない

幸せで濃密なエロにエロを重ねても破綻なし!「四獣王の花嫁」

エロいBL小説が読みたいとき、思い浮かぶ作家は重めの作風で、もっとハッピーでぐずぐずのエロが読みたいんじゃい! そんなときは本作です。*1

ものすごく端的にいうと幸せで綺麗でかわいい肉便器と、幸せで仲良しの穴兄弟。4Pが2回、2Pが2回、触手の尿道責め、授乳もある、最初から最後までエロ満載。
こんだけエッチしてると本編が疎かになるでしょうと思いきや、最後まで破綻のなく、ハッピーエンドでバッチリ終わる手際のよさ。
複数プレイでも罪悪感のない世界感がバッチリ構築されていて、受けちゃんもそれを受け入れて、体はどんどん女になっていく仕組みの世界観。お見事!!

きちんとBLなんだけど、ティーンズやレディコミを彷彿とさせるエッチの文脈に、にたにたしてしまった。
同人誌には、本編でエッチできなかった朱雀王キリルとできてるみたい。嬉しいサービス付き。コミコミスタジオで委託していました。

すごくエッチなのが読みたいけど暗いのはNG! サクッと読めてストーリーも楽しみたいときにドンピシャの作品でした。

四獣王の花嫁 (ラルーナ文庫)

四獣王の花嫁 (ラルーナ文庫)

*1:丸木文華著「フェロモン探偵シリーズ」なんかも軽くてエッチでおすすめです。

お笑いBLの描写は耽美であればあるほど笑えてしまう「妖精ハンター×DT 〜四十歳童貞男の逆襲〜」

童貞が魔法を使えるようになるBLは何冊かあります。
本作はハードボイルドBLが得意の著者の、お笑いBL。同じような濃厚な描写が味付けでこれだけ笑えるのはお見事です。

本作については感想をどうこう述べるより、引用ツイートを見てもらった方がはやいのではないかと思うので、ここにいくつか引用しておきます。

お笑い系のBLって、セックス描写が濃厚であればあるほど、古典的であればあるほど、耽美であればあるほど面白くなってしまうのは、なぜでしょう?
犬山が滔々とお耽美妄想を繰り広げている中、主任が全然関係ないことを考えてるくだりとか、うまいし面白いしなにがなんだか。なにも考えずにサクッと読めて、笑えるし、ちゃんとエロいし最高です。

そして、タイトルからいろんなものを裏切られました。まず表紙の男は童貞じゃないし、タイトルも妖精ハンター(攻)・童貞(受)じゃないし*1。気になる点も多く残るので、「淫猥なランプ」みたいに2冊目が出ないかな……。

妖精ハンター×DT~四十歳童貞男の逆襲~ (ラヴァーズ文庫)

妖精ハンター×DT~四十歳童貞男の逆襲~ (ラヴァーズ文庫)

淫猥なランプ (二見書房 シャレード文庫)

淫猥なランプ (二見書房 シャレード文庫)

*1:さすがに深読みのしすぎかもしれなかった

魂のBL「ショートケーキの苺にはさわらないで」

すでに1回は読んでいるんですが、近々スピンオフがでるので改めて読みました。いや〜〜〜〜、魂のBLですわ。

商業のBLには肉体関係がほぼ必須、といわれているのは、やはり肉体関係が言葉にせずとも分かる、男と男が真に愛し合っている証拠だからだと思います。
本作も1回はその描写はある。

相手がアンドロイドという性質上、体は奪われ、壊れた記憶チップだけが戻ってくる。それをハロみたいな球体にうつして、可愛がる主人公。思い出と性格は復元せず、でも思い出のかけらのような何かは残っているそれを、はたして愛した彼と呼べるのか。
主人公はハロみたいな球体を、愛するんですね。それは性欲のともなうものじゃなくて、子どもとかペットとか、家族に対するものだけど。
そこをBLと認識するかどうかで、感想が変わってくると思うんですけど、わたしはここに魂のBLを見た。

私はBLという枠に落とし込めばロミオとジュリエットみたいなクサクサの恋愛が成立する、というところにBLの魅力を感じているのですが、まさにそれをやってくれたのではないでしょうか。
望まれない関係に、二人を分かつ死があり、それを乗り越えた先の結末を是非読んで欲しい。

スピンオフも楽しみです。

水筒買った(THERMOS、500ml)

水筒は、350mlのものをすでに持っています。こんにちは。
それの問題は、水筒の口径がそのまま飲み口になっていて、水の残量が減るにしたがい、口から水をこぼしてしまうこと……。子どもかい。でもやるよね!?
残量がわからないから、恐る恐る傾けて「ゴボッ」となってしまう。スリムタイプの功罪。
あとは、グランデサイズ(470ml)が入って、軽いのが欲しくて、探してたところ、ハンズで見つけた。

見た瞬間、買う理由がなかった。かわいすぎる。 EP4〜6のキャラクターのドット絵。多分最近のシリーズのキャラクターだったら買ってなかった。

続きを読む

ついに「蒼穹のローレライ」

何かを語ろうとすると、物語の確信に触れねばならないので、あらゆるネタバレを許容できる方のみ読んで下さい。

続きを読む

コンロの置き場所が気になって全然集中できなかった「ダブルミンツ」

長年腐女子をやっていて、じつはBLの実写映画をみるのはこれが初めてでした。地方都市の映画館ではやらなかったのに、ダブルミンツはなぜか、ユナイテッドシネマでやっている。
これは見に行くしかないということで行きました。作り手が原作を大事にしたんだなというのが、感じられるよい映画でした。

原作は前日に読みました。釈明すると、ダブルミンツの存在を知らなかったわけではなく、たまたまリアタイで、このようなBLを読みたい時期ではなく、おいておいただけです。おそらく高校生の自分なら、指折り数えて発売を楽しみにしていたやつ。
で、中村明日美子のマンガはどれも余計な説明がない。それをうまく守っていた。
分かりやすくするためのシーンは随所にあれど、二人がどうしてそういう関係に至ったのか、明確なストーリーは描かれなくて、ダブルミンツを読んでないと、あるいはBLが好きじゃないと、ミニシアター系の痛い映画を見慣れてないと、面白くないかも。

あとは原作より、みつおがわかりやすく小者に見えたかな。刑事の「君はもともとそんなに悪い子じゃないだろ」っていうのがそれを表していて、好きなシーンでした。

そんなことより、ミツオの家がすごくオシャレで「すごいなー」と思ったら、コンロが、玄関横にキッチンがある安アパートの2口コンロみたいなしょっぼいやつで、それがシルバーの冷蔵庫の隣に置いてあるんです。公式予告動画にそのシーンがあったので貼っておきます。

f:id:tnkyy:20170623175608p:plain

広いアイランドキッチンの横にコンロついてねーのかよ! なんでそんな中古コンロみたいなやつなんだよ!
冷蔵庫横の隙間を埋めたかったのか、もともとあそこがコンロ置き場なのか。でもアイランドキッチン結構大きかったし、アイランドキッチンにコンロついてないのか。あれはコンロじゃなかったのか……。そこが気になりすぎて、断髪式のDVDを見ているシーンも全然集中できなかった。 あのコンロさえなければ。コンロ、注目して欲しいです。

ダブルミンツ (EDGE COMIX)

ダブルミンツ (EDGE COMIX)

魔法科としてはよかったけどキャラが多いと大変だな〜「劇場版魔法科高校の劣等生」

公開2日目の日曜日。札幌ではまだ特典がもらえましたけど、首都の方ではなくなったところも多かった本作。客層はSAO以上に男性が目立ちましたが、他の劇場はどうだったんでしょうか。
見終わったあと、後ろにいた男性たちが「お兄様めっちゃかっこよかった〜」と言っていたことが嬉しかったです。

魔法科高校の劣等生の映画としてはよかったと思いますが、映画としてはSAO超えはないだろうな〜、という印象。
というのもSAOと違い、出さないといけない魔法師が多すぎる。魔法科は、魔法師を取り巻く権力や政治や魔法の仕組みを描かないといけないため、どうしても戦闘シーンは少なくなりがちなのに、登場人物に魔法師が多いから、ひとり1発が限界。
わかっていたものの、もっと魔法の打ち合いが見たかったなー! という気持ちを払拭できるほど、軍事・政治・権力争いを描いているわけでもなし。
好きなキャラが1発しか魔法撃たないと「畜生!畜生!」になってしまうかも。幹比古があんな極大魔法撃てて成長を感じたし、美月とはもはや夫婦で幸せだったけどもうちょっと活躍しても……とか……思わなくもないです。

見どころはおそらく、司波達也よりも、映像では初のアンジーだと思います。
というのも、物語初期、それこそ1年度はお兄様は他になにができるんだろう!? という楽しさがあったものの、今はなく、むしろ「お兄様が出てきたら俺TUEEで全部終わらせてくれる」。お兄様がダースベイダースーツマント付きできた時点で全部なんとかなるでしょ、と思ってしまい、お兄様の活躍に対する楽しみはなくなってしまった。
アンジー、戦略級魔法師なのにちょっとボケてるところめちゃくちゃかわいかったし、アクセントになっててめちゃくちゃかわいいです。
あと作監・石田可奈なので、深雪が小説に近いというか、大画面でみるととびきりの美少女になるよう、気をつけて顔描いてるな、と実感できます。舞台挨拶では水着に注目! と言ってましたけど、そういうの魔法科に求められているのか私にはわからない……*1雫の水着が半ケツですごいとは思いました。

面白かったけど、逆に劇場版SAOってすごかったんだな!? と思う結果になってしまった。人気アニメの映画化で求めるのは、お祭り感なんだけど、SAOはそれを見事にやってくれたんだなあと。

SPEED STAR

SPEED STAR

*1:少なくとも私は求めてないけど柴田さんが好きだし柴田さんの巨乳も好きなので悔しい