お読みあそばせ

もはやただの日記

知っていたらこんなん笑うわ「池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟」

とられた金を取り返す。あるいは自らの実力を証明するため、ギャンブルに挑む物語は多い。知略とギミックを駆使して戦う姿に、心が熱くなる題材だ。ルールが分からずとも。
ブラックジャックが分からなくて「マルドゥック・スクランブル」を投げた人も、麻雀が分からなくて「盤上の夜」を投げた人もご安心下さい。今作は、UNOで勝負します。UNOがギャンブルになりうるのか。なります。数字札はそのまま数字の分、英語カードは20点、ワイルドカードは40点あるいは50点という点数が本来はあるから。
小学生のときは大人とその点数で競ってお小遣いを巻き上げていたなあ。

で、読み始めたらとまらなくて、あっという間に読んでしまったけど、まず結末は完璧としかいいようがない。勝つだけでは終わらない。そこ持ってくるのかよ〜〜!! と顔を覆った。
まあお見事である。
ギャンブルの内容自体はあっさりしているが、見事なテンポで起承転結まで転がり落ちてしまった。 そのテンポを支えているのが、どの人物も大げさなセリフまわしというか、劇場型というか。「運転手さん、前の車、追って下さい!」みたいな、現実で使ってみたいけどそれを言う機会はなさそうなセリフがポンポンでてくる。「その節はショットガンでの御褒賞、どうもありがとうございました」。

さらに、それなりにミステリー小説やラノベ、エンターテインメント小説を読んでいるとなお楽しい。
円居樹「下鴨北大路アペルスヴォワール」、西野奎吾「プールサイド」「はじらう刃」、篠葉小百合、森陸「三月は深き紅のF」、高島田荘司錬金術殺人事件」。そして大人気漫画家・八条キヨ「トリニティ・ブラッドオレンジ」。
なんやねん(爆笑)。
本を読んでていてこういう気持ちになったのは久しぶりです。

作者は、メフィスト賞を受賞してデビューしている。2007年「天帝のはしたなき果実」。私が最後に読んだメフィスト賞は2006年真梨幸子の「孤虫症」。
そのときはまだ学生で、高専の図書館で借りて読んだことを思い出した。そんな頃にデビューされたのね、と感慨深くなってしまった。