お読みあそばせ

本とか映画の感想文

お手本のような同人誌だと思う「お医者さんのお引っ越し」

本作は「お医者さんにガーベラ」「お花屋さんに救急箱」に続く3本目*1。お医者さん(受)とお花屋さん(攻)の仲もほとんど夫婦になり、家(花屋)をリフォームして二人の終の棲家にしましょうかという話しです。

リフォームといってもボロ家なので、ほとんど新築同様になる、そこを軸にしてふたりの日常をうまく書いているなと思います。
前2作を経たお医者さんの成長と、お花屋さんの成長、お互いにまだ言えなかったことや、新たな一面を見せて、改めてこれからもずっと一緒にいましょうね、という……。
私も今住んでいる家(実家)は高校生のときに引っ越してきた家なので、新築の家が懐かしい。冬前に引き渡しだったので、1ヶ月くらい床が冷たすぎて歩くのが苦痛だったことを思い出しました。本当は天井を蓄光の星の壁紙にしたかったのに親に反対されたこととか。

商業のBLとして大事な受の問題と、攻の問題をすでにやりきってしまったので、本作は番外編。いってしまえば、同人誌的な話になります。
このふたりに関しては正直、エッチはいいから掛け合いや日常が見たいな、というレベルだったので、エッチを削った判断はよかった。本編でやったことを踏まえ、新たな一面を見せつつ、新たな物語は掘らず、まさに「本編の隙間をついて、新たな解釈は加えず、うまく泳いでいる」お手本のような同人誌でした。
公式で一般流通しているので、同人誌もなにもないんだけど。

威圧的で手塚国光みたいな喋り方のお医者さんと、いつもニコニコで推しの強いですます口調のお花屋さんの掛け合いも、テンポがいいし、現実感はないんだけど、キャラクターとして確率していて気持ちがよかったです。

お医者さんのお引っ越し

お医者さんのお引っ越し

*1:前2冊はKindle化していない