お読みあそばせ

本とか映画の感想文

気分はまさに奴隷愛好家「熱砂と月のマジュヌーン」

もともと同人誌だったので、過激(作者のマイナーな趣味)なのは言うまでもなく。
BLでアラブものというと、まかり間違って奴隷として売られた受ちゃんが、優しい王子に買われたりする感じを想像しますが、今回は違う。木原音瀬だから。
今作の受けちゃんは、反省しないし、もともとの性格がクズだし、父親もクズで、父親が奴隷にやったことと同じことをやりかえされる。輪姦はもちろん、いろんな動物ともまぐわいまくります。

私はBLの獣姦・異種姦がわりと結構大好きなんですが、それはホラー映画やスプラッタが好きな理由と同じです。空想の世界だからできること、現実には起こりえないことだから。
しかしBLの異種姦はいうても耳が生えたりしっぽがあったりするだけで、だいたい人間のセックスであることが多い。正直「違ったな」と思うことが圧倒的ではあるが、今作は動物との結合のエグさが描写されるも、受ちゃんが性的にタフなせいで息子はおったっちゃう……という。
気分はさながら受ちゃんを眺めて楽しむ奴隷愛好家である。「イケー!そこだー!やれー!」登場人物がカスだと気兼ねなく拳を振り上げられます。

最後はきちんと愛した男と結ばれるんだけど、そこに至るまでに、受ちゃんはだいぶ酷い目にあいます。本作、アラブ作品では性的にタフでないとどんな美しい受も生き残れないな、という教訓を残しました。
獣姦や輪姦が過剰という以外はいつもの木原作品です。もともとが同人誌で発行されていただけあり、かなり自由に書かれたんだな、という性癖がガンガン見えてきてたまらない一品です。