お読みあそばせ

もはやただの日記

受けの一途さ・かわいさに攻めが釣り合ってない「愛しのニコール」

この作品も一度読んでいて、「2017年度版このBLがやばい!」にも感想を寄稿している。

このBLがやばい! 2017年度版 (Next BOOKS)

このBLがやばい! 2017年度版 (Next BOOKS)

ゲイだから田舎で迫害された男の子が、都会からきた男の子に出会って自殺をやめる。その都会からきた男の子に再会するも、彼にはすでに好きな子がいる。しかし諦め切れない主人公は、ずっと好きなまま。
いきなり自殺の文字が出てきて、凪良作品っぽい。ほの暗い作風にいつもの幼馴染が加わって、好きなテイスト。

この作品、とにかく主人公・久美浜二胡(ニコ)がいい子で報われない。「好きでいるだけなら自由」をずっと貫いていて、どの少女漫画のヒロインより一途に彼を思い続ける。
その一途で、かわいくて、すごくいい子のニコに対して、王子様はよくも悪くも男っぽく書かれている。女の気持ちをちっともわかってない男すぎて、ちょっとイライラするぐらい。若くてかわいいなと思うけど、友だちにこういう男が好きなんだけど、と相談されたら、ヤメロ、と言うと思う。

付き合ってる男と分かれてすぐ、「もしかしてニコはずっと俺のこと好きだったのか?」と気づく王子様。
都合よく解釈して、告白した返事が「好きだったけど、もう疲れて、昔みたいには好きじゃない」と、自分が恋人に言ったセリフと同じことを言われて振られるシーンはスッとした!

BLの攻めに「シャキッとしろやオラ」なんて思ったのはじめて。私はこの男好きじゃないけど、ニコが許して付き合って、幸せなら……いいよ……。
いろんなレビューサイトみて、3/5点つけてる人の評価が、おおむね私と同様に「ニコのかわいさ・健気さに王子が釣り合ってない」という人で面白い。
たしかに「こういうカップルいるんだけど、どう?」と周りとディスカッションしたいです。

愛しのニコール (ショコラ文庫)

愛しのニコール (ショコラ文庫)