お読みあそばせ

もはやただの日記

刑事モノだと思ったらドタバタ純愛ものだった『デンパ男とオトメ野郎』

刑事モノBLで、表紙が小山田あみなら本格的な事件! 推理! と腐女子ならたいていが思うだろう。本作は違った! 事件は深刻だし死体も凄惨だが、事件は解決しないし、推理もしない。 メインは公安の天然デンパ系男と、チャラついた見た目に似合わず純愛したい男の出会いと日常で、章立て細かく中編+短編で構成されている。

肩透かし。をくらう人もいると思うが、私は本作を「事件とか推理みたいな重めのやつの気分じゃない」で寝かせていたので、軽めの作品で嬉しく一気に読み終えてしまった。 続編もあるので、今作は2作目のプロローグ的作品だと捉えるべし。Amazonレビューを見る限り、2作目も時間を解決するわけではないようだが。 Kindle向きの作品というか、商業っぽくないというか、プロの同人誌のような作品であった。

小気味よいテンポですすむ作品なのに、小山田あみの挿絵が耽美的で、そのズレが面白い。ふふっと笑ってしまう。画力が素晴らしすぎて……。 筋肉質の男同士が裸で抱き合う挿絵がすごくエッチで一見の価値ありです。